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さらさ西陣 (旧藤の森温泉)

鮮やかなマジョリカタイルが壁一面
1998年(平成10)まで銭湯・藤の森温泉として営業していたが平成11年に廃業した。ほとんど銭湯の時のままでカフェになった。
マジョリカタイルは、シンガポールや上海で見た記憶があるが、日本では、見る機会など無かった。なんと、このタイルは淡路島で焼かれたもので正しくは和製マジョリカタイル。イギリスのミントン社などで焼かれていた装飾タイルを模倣して、瓦を焼く技術を持っていた淡路島で最初に焼かれた。(現在のダントー株式会社)続いて、大正初期から昭和10年頃まで名古屋や多治見でも焼かれるようになり、イギリス製より安価だったために、中国、東南アジア、インドなどに盛んに輸出された。アジアで見かけるマジョリカタイルは日本製のものが結構多いとか。
国内では、関東大震災の復興に向けて衛生的で実用的と云われて白無地タイルの需要が急増し、マジョリカタイルは生産されなくなった。

所在地:京都市北区紫野藤ノ森11-1
建築年:1930年(昭和5)
構  造:木造2階建
設  計:京都工務所
登録有形文化財

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マジョリカタイルは金型で凸凹のレリーフをつくり、筆で1色づつ色釉のせるなど、大変な手間がかかり、高価なタイルだった。



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男湯と女湯の仕切り壁を半分壊した以外は銭湯のまま。湯船も床の下に残っている。



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外観は唐破風の屋根飾りで格調高い和風建築かと思えば、腰にはカラフルなマジョリカタイル。
唐破風は江戸時代までは神社仏閣、天守閣、大名屋敷などに権威の象徴として使われ、庶民が使うことは許されなかった。
明治以降はこの掟は解かれ、憧れや、晴れがましさとして、花街や芝居関係に多く使われ、関東では古い銭湯の玄関にもよく使われた。
その勢いが京都の銭湯にも。


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現地では気が付かなかったが鬼瓦に右から「藤の森温泉」と書いてある。カメラは私に見えないところまでちゃんと見ている。







by gigi-yo-ko | 2015-03-29 12:00 | 京都府