九州大学 旧応力研生産研本館 (旧法文学部本館)

アーチ型の庇が連なる塔屋と丸太を組んだような基壇

正門から左手によく見えて、何かしら気になる建物だった。
耐震性不足で、現在立ち入り禁止になっているが、近づいてよく見ると細やかな装飾が施されて味わい深い建物だと思う。独創的な意匠で一度見たら忘れられないような強烈な印象もある。外からでは解りにくいが「ロ」の字型の建物で正面側が先に建ち、後側が1年遅れて竣工した。
2012年に行われた「九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」では「老朽化が著しく寿命に達している」と判断されているようだが、消えてしまうには惜しい・・・。
遠くからはおびただしい数のダクトばかりが見えるが、これは後の用途変更で付けられたもの。

所在地:福岡市東区箱崎6丁目
竣 工:前面1925年(大正14) 後面1926年(大正15)
構  造:鉄筋コンクリート造4階建・一部鉄骨鉄筋コンクリート造
設  計:倉田謙(九州帝国大学建築課長)


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正門から見えるこの姿は一時期までは、九州大学の顔であった。



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1階が半地下になっていて2階が玄関になっている。円柱6本で庇を支える玄関ポーチは古典建築のようでいて装飾は無くモダニズム風。
大正末期の建物の特徴かも知れない。



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九州大学大学文書館(web) の昭和3年の写真を見ると、柱のキズは球型を複数組合せた照明器具が付いていた跡。
左右の2本ずつの柱に渡した大型の物。ここ以外の外観はほとんど変わっていない。



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2階の中程まである基壇は丸太を組んだようにも見えるし、座布団を重ねたようにも見える。





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何の変哲もない外壁に見えるが、よくみるとタイルの装飾がある。



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上から3列タイルの装飾があるモルタルの白っぽい壁に白いタイルと水色の渦巻柄のモザイクタイルで完成した時は綺麗だったと思う。
ここは繊細なスチールのサッシも残っている。無くなって惜しい物の一つにスチールサッシ。



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構造的なものではなく、デザインとしての基壇であるが、これが2階の玄関を安定して見せる。



by gigi-yo-ko | 2015-06-07 12:00 | 福岡県