2012年 06月 13日
日本キリスト教団 天城教会
天城方面にキリスト教の伝道が始まったのが明治13年で、その10年後にこの教会堂は建てられました。主要道路沿いで、倉敷から児島方面の布教の拠点としての役割を持っていました。
建物の外観はほぼ当初のまま残されているそうです。現地へ行ってみると、明治の棟梁が工夫を重ねて苦心の末に建てた様子が伝わってきます。和風建築では破風板とか鼻隠しと呼ばれる部材(写真では屋根の下にめぐらされているピンクの飾り板)をまるでレースの様にカットして洋館を表現しています。車寄せの重厚な蛇腹装飾、内部では祭壇周りの装飾、天井周りの工夫も見どころだと思います。建てたのは愛媛県今治の信徒の大工さんで部下数人と天城にやって来て毎朝讃美歌を歌ってから仕事を始めたと伝えられています。
所在地:倉敷市藤戸町天城144
建築年:1880年(明治23)
構 造:木造2階建
設 計:吉田伊平
岡山県指定史跡





和室によくある竿縁天井の下に菱格子を廻してその下に格調の高い洋風の廻縁を廻してあります。
和室なら天井の竿は床の間と並行にするのですが。ここでは竿を祭壇に向けてあります。




今は新しい幹線道路ができて後ろ姿をこれに面している格好です。正面を天城街道に面しています。

吉田伊平は一年前にも高梁市にも県下で最も古い教会を建てていて、この天城教会は2番目に古い教会です。
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