ヌヴェール愛徳会本部修道院 (旧第十六師団偕行社)

偕行社としてはめずらしい和洋折衷建築
日露戦争が長期化する中、戦力増強のために第十六師団が増設された。師団司令本部(現在の聖母女学院本館)の近く、北東に偕行社が建てられた。旧陸軍の社交場である偕行社は全国にいくつか残されているが、おおむね決まったスタイルで建てられていて、他所では全部本格的な洋館なんだそうだ。ここ第十六師団偕行社のみ和風建築の特徴を取入れつつ洋風に仕上げてある。おそらく京都という土地柄を考慮したのではないかと思われる。
 終戦後、師団司令本部と同様に国から払い下げを受け、ヌヴェール愛徳会の施設として大切にされている。案内して頂いた職員の方もこの建物を誇りにしておられる様子が伝わってきた。戦争の遺構を現在修道院として使われているが、眺めていると京都の寺院のようにも見えてきていろんな顔を持つ建物である。
ヌベェール愛徳会はフランスの修道会で、日本では大阪の玉造に大正10年に設立されれ、大正12年には聖母女学院を創立した。

所在地:京都市伏見区深草田谷町
建築年:1910年(明治43)
構  造:木造平屋
設  計:陸軍技師 加藤賢 
(設計者不詳とされていたが残されていた棟札から最近判った。笠原先生の解説によると1909年に東京帝国大学を卒業した1年目の仕事)


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真正面からの写真は香川県の善通寺偕行社とよく似ている。


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建物の中央を「おみどう」とされている。天井は先日見た岡山の偕行社の2階にも同じ素材が使われていた。


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柱を見せた真壁風の造り(建具は取替えられている。)


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柱、長押、が見える和風の造りで、折り上げ格天井のようにも見えるが、南側は廊下の上の高窓から光が差し込む。

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建物の周囲に廊下が廻っているが、1960年代中頃まで南側の廊下はガラスは入っておらず吹き放ちであった。
その様子を想像すると寺院の高欄のよでもあり、コロニアル様式の洋館のベランダのようでもある。

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千鳥破風の車寄せが和風建築を印象づけているが、ポーチの柱装飾や窓廻りを見ると西洋風。

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偕行社時代からの門柱。

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by gigi-yo-ko | 2016-05-08 12:00 | 京都府