旧春田鉄次郎邸 (フレンチレストラン デュボネ)

洋あり、洋に和あり
陶磁器貿易商として財をなした春田鉄次郎が武田五一に依頼して建てた邸宅。
19世紀以降の建物は過去の様式に捉われずに施主や建築家の好みによって自由に選択、組み合わせた折衷主義の時代。この建物は手前に洋館、奥に和館から構成されていると解説されているが、洋館部分にも和の要素があり、和館部分にも洋のテイストがある。洋館、和館と分けて考える必要がないような気がするが。これ以前の洋館と和館を併設した邸宅は和洋はっきり違う物を繋いであり、両方の要素が混じる事は無かった。この違いが大正期の住宅の特徴でもあり、和洋を自在に操る武田五一の特徴でもあると思う。当時の最新デザイン・セセッションの流行期でありこの要素を館内で色々目にする事ができる。(セセッションはウィーンで始まった新芸術運動で武田五一が日本に導入した。)

所在地:名古屋市東区主税町3-6-2
竣 工:1924年(大正13)
構  造:木造2階建
設  計:武田五一
景観重要建造物

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裏玄関(見学者の入り口) こけら葺きの庇は従来の和風建築では見た事がない曲線。



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裏玄関の天井:和でも洋でもない独自性。




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和室ではあるが、壁は洋風の布貼り。



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和洋の接続部:奥が和館、手前が洋館


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琵琶床がある立派な和室。写真を整理していて気付いたが、真っ白の壁の和室も珍しい。



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和風建築のいわゆる違い棚ではなくて、左右対称形の棚。和の様式にこだわっていないおおらかさ。



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武田五一がデザインした家具。アールデコもしくはセセッションの特徴が見える。


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細部の一つ一つが丁寧にデザインされている。


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違い鷹の羽の家紋が透かし彫りされた和室廊下の手摺り。


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茶室の待合のようなスペースが造られた洋館の玄関。




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玄関:現在はレストランの入り口として使われている。



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 直線でデザインされた階段廻り。




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現在はレストランのバーとして使われているが和洋折衷の部屋。(図面には洋室となっている)



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この建物の中では最も古典的な洋室ではあるが、天井の4隅に違い鷹の羽の家紋があしらわれている。



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ドア枠は薄く見せる(軽快な感じ)ように斜めに傾斜してある。この点もセセッションの要素。




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本来の洋間に有った天井と壁の区切り(廻縁)が無く、角はアールが取られている。
天井の装飾もさりげなくすっきりとして、幾何学的デザイン。



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井桁に組まれた換気口は和の要素を感じるが、セセッション風でもある。
セセッションは和の影響を受け、ヨーロッパで熟成され再び日本に導入された経緯があり、日本に馴染みやすかったといわれている。


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和館と洋館の接続部天井は洋ともとれるデザイン。



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さらに装飾を省略した(少なくした)美しい天井。


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天井と壁の区切りが無くアールが取られている。


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左はガス灯の跡。
こんな極限的デザインの天井には中途半端なデザインの照明器具は付けられないのか・・・電球のまま。


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フレンチレストラン・デュボネのランチ。



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暖炉もこの時期は奥行が浅く薄いデザイン



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●通常は平面図の白い部分は見学できませんが、今回は特別に見せて頂きました。 


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by gigi-yo-ko | 2016-06-05 12:00 | 愛知県