2015年 04月 15日
赤穂市立民俗資料館 (旧日本専売公社赤穂支局・旧大蔵省赤穂塩局)
塩の町赤穂に日本最古の塩務局庁舎
正面は左右非対称で屋根の形や窓の形が変化に富んで凝ったデザインの建物である。明治の洋館らしく、和瓦の屋根でパステルカラーの下見板張り。工事は地元の棟梁山本近治らがあたり、資材も地元で調達され、基礎の積石、石段は赤穂城の石塁の一部を加工転用されたという。
赤穂の塩づくりは古くから営まれてきたが、1645年(正保2)赤穂城主となった浅野長直が製塩業を奨励し、塩田開発、製塩技術の向上に務め、全国的に有名な赤穂の特産物になった。
開国後、低価格の塩が輸入されることに危機感を抱いた明治政府は明治38年塩の専売制度を開始、全国の塩の産地に塩務局を設立した。赤穂塩務局は明治41年に完成し、この庁舎をはじめ塩倉庫など11棟によって製塩管理が行われた。やがて塩づくりは塩田製法から工場化へと変わる。
後に昭和24年「日本専売公社赤穂支局」となり、昭和58年に「赤穂市立民族資料館」として開館した。全国に唯一現存する塩務局庁舎であり、内部も当時の様子がほぼそのまま残されている。
所在地:赤穂市加里屋805-2
竣 工:1908年(明治41)
構 造:旧事務所棟・木造一部2階建 旧塩倉庫・木造平屋建 旧文書庫・煉瓦造平屋建て
設 計:大蔵省臨時建築部技師 大熊善邦 (妻木頼黄よりなかの名も挙がっているが確証がないらしい)
県指定重要有形文化財
玄関上の採光窓の下はアールヌーボーのような曲線(右)
旧文書庫
旧監視課室:2階の屋根を支えるハンマービーム は構造材であるが、美しい装飾のよに見えてとても豪華な部屋。